更年期か?調子が悪くなって京都府内の婦人科を探した2か月間の話
まいった。
月のものが止まらない。2か月ぶりに来たと思ったら、かつて経験をしたことのないほどの量と、期間の長さである。しかも、ムズムズというかシブシブというか、へんな気持ち悪さを感じる。
若い頃はいわゆる生理不順というやつで、特に20代のころはあまりにも不定期だったからいつ来るのか予測ができなかった。仕事が忙しくなるほど、女性の機能はおさぼりになっていった気がする。一応、子どもはひとり授かったが、いつのまにか生物としてのコアな生殖期間は過ぎてしまった。
不順のため産婦人科を何度も受診したことがあるのに、今は驚くほどキッチリと毎月いらっしゃる。もう用なしなのだからできれば忘れたころにやってきてほしい、というか、もう忘れたい。
そう思っていたら、終盤になって本当に出血大サービス。笑えない。このままでは貧血で生活に支障をきたすと感じて、まずは止血剤をもらいに行こうと思った。さてどこの病院を受診しよう?
子育てから手が離れたら、地域の産婦人科の姿も変わっていた
どこの病院に行くかあれこれ考えてみた。
何年か前に近くの産婦人科で子宮がん検診を受けたが、ここは不妊治療メインに行う病院であって、利便性だけで選んだから、その後はお世話になっていない。
地域の産婦人科医院は若い頃から何か所かお世話になったことはあったが、あまりよい医院に出会ったことがない。受診はデリケートだから勇気を振りしぼって行ったのに、言われた酷い言葉を思い出してしまう。
一番酷かったのは、市内の某産婦人医院だが、「膀胱炎になるのはセックスのせいもあるよ。」と、寝る暇もなく忙しく働いていた時期に言われたことだ。でも、デリカシーのない先生はここだけではなかったように思う。近所の婦人科で、つわりの薬が効かないことを伝えたら「あんたがくれ、て言うたんやろ?」逆切れした女性の先生もいた。
万が一、重病だった場合のことも考えて、大きな病院をあたることにした。京都は、京大付属病院へのルートがある病院が重宝される。ルートなんてないと言われるかも知れないが、つながりの濃さというか、パイプの太さみたいなものはあると思う。なんだかんだ言って、京大付属病院とつながれば安心、と思っている人は多い。そういうルートのある病院の話も知人に教えてもらったけれど、家からは遠い。
わが子のお産をした総合病院をあたってみたら、なんと産婦人科がなくなり、お年寄りのための病院になっていた。当時、切迫早産で長く入院したのち、わが子が無事に生まれたとき喜んでくれたあの看護師さんたちはどこへ行ったのだろう。少子化やなり手の少なさからだろうか、市内だけではなく、府内の総合病院もあたってみたものの、口コミで聞いていた先生の名前もなかったし、まず、常勤の先生が少なくなっているように感じた。
以前住んでいた家から近かったので、お世話になっていたかかりつけの病院もいちおうあるにはあるが、担当の先生が異動されてからは行っていなかった。でもカルテが残っているだろう。
出血はおさまるどころか3週間経っても増加するばかり。え~い。腹をくくろう。そこにまず行ってみることにした。
…が、即日でやめ。あたらしい先生とは意思疎通がうまくいかなかった。つまり外国人の先生のため、日本語でのコミュニケーションが難しかったのだ。腕はいいお医者さんかもしれない。でも、細かいところが通じないので、ストレスが大きい。別の言い方をすると、この病院では日本語以外の対応が必要なのだろうと思う。今はいろいろなニーズがあるのだなと感じた。
でも、あの先生に診てもらったおかげでどうやら卵巣が腫れているらしいということが分かった。卵巣嚢腫の経験があるので、このまま放置してあの痛みを味わうのはごめんだ。結局家から遠いものの知人に教えてもらった前述の「京大付属病院につながりやすい」という病院に行くことになった。
紹介状なしで行ったので、初診料高かったですわー(泣)
しかし、ここでもまたスムーズにいかない
その病院は、同僚が入院しているときにお見舞いに行ったことがある程度のかかわりしかなかった。しかも、当時はすごく汚い病棟だったのでそのイメージしなかったし。でも、20年ぶりくらいに訪れてみたら、綺麗になっていて、大きい病院だけど、受付の人たちも親切だ。私は大きい病院では「さばかれる」という感覚しかなかったから驚いた。
でも、それだけ親切ということは、人気も高まるということだ。受け付けで「受診したい先生を選ぶ」なんて経験ははじめてだったけれども、私の症状に専門に対応できそうだ、という先生は予約が1か月先にしか取れない。もう先生や病院をかえたくないのではじめから専門の先生に診てもらうことにした。待合もいっぱいだったし、人気のほどがうかがえた。
止血剤をもらっていたので、とりあえず大出血はおさまったけれど、それでも、微量の出血と気持ち悪さが続く。このまま1か月も我慢できるのだろうか。
年末も差し迫ったある日、このまま年を越す自信がなくなった。何かひっぱられるような感覚が強くなったのだ。その病院にもう一度行ってみて事情を話し、飛び込みで受診した。専門の先生はいらしていたようだけれども、その先生には診てもらえなかった。
代わりに診てくださったのは若い女性の先生。本当に若い。
でも、親身になって話を聞いてくださり、まずは内診をしてもらった。もう誰に診てもらっても抵抗がない年齢にはなっているけれども、若い女性の先生に診てもらえるというのは、まるでネイルやヘアカットを綺麗な美容師さんにお願いする感覚で、気楽だしちょっとうれしいような妙な感じになった。
「うーんポリープができてますねえ…」
先生の診察は痛みがないので、いろんなことを考えていたから、その一言で急に現実に戻された。そうか、これがひっぱられる感覚と、少量ながら出血し続ける原因だったんだ。
ポリープは今までにもできた経験があって、私の場合、前もキノコ型だった。「ほら」、と見せられた液体に浸かった姿は、白っぽいキノコだった。前は男性の先生がその場で取ってくださり、メチャメチャ痛かった思い出がある。しかも、今回は2つもキノコができているらしい。子宮の中から茎のあるキノコが外側に2つも出てきているって、想像したくない図だ。その場でカットしてもらった。麻酔はなし。
痛いことは痛かったけれども、それが終わると、今までの気持ち悪さがまったくなくなってしまった。素人の想像だけれども、子宮口が開いてたのがちゃんと閉じたということなのだろうか?だらだら続く出血の原因もそれだったのかもしれない。とにかくスッキリとして、ビフォーアフターがしっかりわかって驚いた。先生は「そんな感覚はわからないと思いますけど…」とおっしゃっていたけれども、私にはとにかく視界がパーっと開けるほどの爽快さを覚えた。
子宮頸がん、体がんの検診もその場でやってもらった。この子宮頸がんと体がんの検診はやってもらった人ならわかると思うけれども、決して生易しいものではない。特に体がんの検診の方は痛みがあったりする。
以前、これまた別の男性の先生に細胞を採取してもらったときにはあまりの痛みに、出産よりくっきりと記憶があるくらいだ。でも、今回の女性の先生の場合はとても上手にやってくださり、今までの検診のつらいイメージが塗り替えられたように思う。同性の先生に診てもらうメリットは大事なところを見られる恥ずかしさを軽減するより、何がどう痛いのかが分かるということだと感じた。
ついでにいうと、となりの診察部屋から、予約で診察してもらう予定だった専門の先生の声が聞こえてきた。そのときの印象だけなので本当はどうなのかわからないけれども、雰囲気やしゃべり方が高圧的に思えた。このたびの女性の先生の診察は、リラックスできてよかった。
正月が明けて、再度病院を訪れた。幸いなことに検診の結果は異常を認めなかった。ただ、大量の出血はホルモンバランスが崩れていることが、内膜が厚くなり出血が重くなる原因だろうということで、ピルを怖がった私に、漢方薬をどっさりと出してくださった。
数年間、婦人科検診に行っていなかったことを反省した。
この女の先生に引き続き診てもらうつもりだったのに、もう外来での診察はされないそうだ。婦人科ジプシーは続いて行きそうだ・・・。